住友不動産の将来性

財閥系デベロッパーとしての強み

住友不動産は他のデベロッパーと比べ商業や物流など多角的に事業を展開しているわけではないですが、その分ビルに資源を集中きており、安定資産が多いのが特徴です。オフィスビルの収益性がきわめて高く、ビル事業が安泰ならば潰れることはないでしょう。近年は増収増益が続いており、首都圏のオフィス事業が業界1位、マンション供給戸数も1位と、業界トップクラスを走っています。 都市型住宅J・アーバンシリーズなどのマンション開発や住宅リフォーム事業「新築そっくりさん」等で独自の強みを発揮しています。また、財閥系企業ゆえの安定性及び知名度も強みの一つで、就職希望ランキングでも上位に位置しています。

住友不動産の弱み

新しい事業を生み出せない企業体質があります。他のデベロッパーが海外進出する中、海外進出や事業ポートフォリオの見直しが進んでいません。ビル一辺倒の経営方針は今後考え直す必要があるでしょう。資産が東京に集中しているというリスクもあります。また、他の財閥系に比べ「丸の内」「日本橋」といったおしゃれな開発ができていません。

人材不足問題

一定数の退職者が常に存在するため、グループ会社を含め、年中募集採用していますが、外部からの中途採用者が根付く文化がないため、恒常的な人材不足です。人を育てるのが苦手であり、女性の活用もうまくできていません。また、大手企業の割には、内部はアナログなところが多く、社内イントラやシステム、各種手続きが非効率的で、無駄な手間や時間がかかっています。仕事の規模とは違い中小企業並みの体制です。

今後の成長ポイント

住友不動産は保有資産に占める首都圏・オフィスビルの割合がとても大きく、東京一極集中の流れがあるうちは追い風ですが、潮目の変調についていける力があるのかは未知数と言われています。ビル事業で安定した売上を稼ぎながら販売事業と2本柱で展開していくという事業基盤は変わらないと思いますが、今後はビル以外の新しい事業を生み出せるかが成長できるかどうかのポイントでしょう。日本の人口が縮小していく中で、海外にも進出できなければ、オリンピック以降はジリ貧と予想されます。


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